町家 三宅商店について

この建物は、江戸時代後期(百数十年前)に建てられた町家で、
奥に長く土間が続き、蔵を構えています。

土間、蔵、土壁、昔ながらの間取り、懐かしくもあり、
ほっこりできる時間がここにはあります。

もともと三宅商店は、戦前より日用雑貨・荒物屋でした。
現在は、その歴史ある屋号を受け継がせていただき、

「倉敷の街を朝から元気に!」

を合言葉に新しく三宅商店が生まれ変わりました。

きれいにし過ぎず土壁など使えるところは、修繕しながら使っていこう、
また江戸のリサイクル社会をお手本に古材も積極的に活用しました。
土間の工事中には、ふたつのお宝が出てきました。

ひとつは、土間に沿って外へ続く「溝」です。

ちょうど母屋の真ん中あたり、今は屋根がありますが、建築当時は、
坪庭になっていて明かり取りや空調の役目をしていたようです。
屋根がないですから当然雨水も入ってくるので、
そのための排水溝が家の中にも必要だったのです。

もうひとつは、「土」です。

古材でもお世話になった陶芸家の小山さんが、
この倉敷本町・三宅商店の土で鬼の面を焼いてくれました。

日用雑貨・荒物を売っていたころの三宅商店の名残は、壁ごと残しました。

大同マッチや蚊取り線香のポスターや昭和三十六年の時刻表は、
貼られた当時のまんまです。

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